今回のこまつ座。
初対面の方ばかりの中、キムラ緑子さんがいる。
「どりさん(通称)」は私にとってとても大切な方。
恩人といって言い過ぎではないかもしれない。
5年前の夏、劇団M.O.P.のオーディションを受けた際、マキノさん始め他の劇団員さんにスルーされる中、「あの子(私)は入れるべきやっ!!」とゴリ推ししてくれたという話を後日聞いた。おかげで私はオーディションに合格し、その後色々な方と出会い現在に至る。
もしもあの時のオーディションに落ちていたら……と、考えると恐ろしい。きっと私はここにいないだろう。実家に帰って内装問屋の倉庫番とかをやっていたに違いない。
……「そっちの方が良かったのに」とか言うなよっ!!
当初はよく言われたが、今は良かったと思えるのだ。
それも元をただせば「どりさん」のおかげ。
だから今回の稽古場でも私はいつも感謝の気持ちを込めて……。
ちょっと、どりさんっ!!何してるの。……と注意をする(笑)
そんなやりとりを見たのか?
鵜山さんがポツリと呟いた。
鵜山「私は未だに「どりさん」とは呼べないのですよ」
栄作「え?……何て呼ぶんですか?」
鵜山「いつも迷います。……緑子さんじゃ長いし」
栄作「はあ」
鵜山「キムラさんじゃあ……ヨソヨソしい」
栄作「ええ」
鵜山「かといって、どりさんと呼ぶには……ちょっと」
栄作「いいじゃないですか、どりさんで」
鵜山「いや〜……う〜ん」
と、10年以上の付き合いになる女優さんとの距離感を計りかねている。そして昨日の稽古中。
栄作「じゃあ、どりさんが出てくる所をやりましょうか?」
鵜山「はい、ではどりさんお願いします
……あ、どりさんて言っちゃった」
……数分後。
鵜山「緑子さん、そこはもっとこんな感じで」
栄作「じゃあもう一度どりさんの台詞から……」
鵜山「
……あ〜、やっぱり緑子さんは長いな〜」
……更に数分後。
栄作「では少し休憩しま〜す」
鵜山「キムラさんちょっとよろしいですか?
……あ〜キムラ」
……って。
考え過ぎっ!!どりさんはきっと何とも思ってませんから(笑)
でもそんな距離感を大切にする鵜山さん。
自分の劇団文学座の大先輩・金内さんには容赦ない。
鵜山「金内さん台詞違います」
鵜山「金内さん台詞違います」
鵜山「金内さん台詞違います」
金内「……ううう。くそぅ」
距離感ですね。